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⑭ ネットワーク機器の保守サービスについて

近年においては、業務用のネットワーク機器が、5年以内にハードの障害で壊れることが殆どなくなりました。ネットワーク機器が誕生して長年の経過により、部品の耐久性・不具合やソフトウェアの不具合などが改善したことに起因しています。しかし、現在のビジネスではネットワークが止まるとビジネスがストップすることになりかねません。そのために運用管理者は、サービスの停止時間を最小限度に抑えることと、コストの両方を考慮して障害対策を行うことが必要になります。

あらゆる可能性を考慮する
ネットワークを止めないことで、最初に検討すべき対策は、冗長構成です。フェールオーバーによりサービスの停止を避けることができます。一方で、冗長化されていない機器の場合は、機器が故障すると全体のサービスが停止をしますので、迅速な対応が求められます。

そのためには、保守サービスの契約が必要になります。この場合、冗長構成においては、先出センドバック保守、サービスの停止を最小限度に抑えたい場合は24時間オンサイト保守を選択することがあります。

トラブル発見から最短時間で再稼働する対策
技術力と体力のあるユーザでは、予備機を購入して故障に備えることがありますが、一般的には、保守契約を行うことが基本になります。

① 機器情報と、設定情報の把握
これらは、ベンダーの保守契約を行うことで、管理を行ってくれます。
 ・機器のバージョン、シリアル番号、ID・パスワード
 ・設定内容(パラメーターシート)
 ・コンフィグ(最新)
 ・ネットワーク構成図

② 保守サービスの契約内容選定
 ・24時間365日 オンサイト保守
 ・平日9~17時内 オンサイト保守サービス
 ・先出センドバック保守 ※ 配送期間中ネットワークが停止する
  (故障の連絡を受けると直ぐに代替機を送付)
 ・後出しセンドバック保守 ※ 修理期間中ネットワークが停止する
  (故障機の修理を依頼する。修理の完了後に機器を送付)

③ 障害にいち早く気づく
難しいこところがあります。SNMPで機器を監視することがオーソドックスな方法です

④ 障害手順書の作成
機器の設定方法や、連絡先などをドキュメント化して、担当者不在の時に対処ができるようにします

⑤ コンフィグの維持
設定変更がある度に、最新バージョンを保管します(保守業者に提出する)

⑥人的なミスに注意する
保守契約を締結していれば、ベンダーから連絡が届く内容であるが、自社でも確認を行い人的なミスに備える
 ・保守手続きを行っているか?(保守更新を忘れていないか?)
 ・機器のサポート終了になっていないか?(リプレース次期の把握)

¶ 保守サービスの留意点
保守契約を行っていないと、一切のサポートが受けられないことがあります。一般的なオンサイト保守サービスは、現状復帰が原則になります。最新のコンフィグを代替機に投入して、現地に持参します。代替機と交換してネットワークが復旧すれば保守作業が完了となります。

原因解明を求めるユーザがいますが、保守サービスの適応外になりますのでご留意下さい。それでも不具合の原因解明を要望される場合は、メーカーによっては自社工場で単品での動作確認を行います。ユーザ環境でないうえに解析結果では、「現象が再現しない」「部品の寿命」などとなり、求めている回答でないことがあります。

■主な保守作業の例
オンサイト保守を行う前に、ユーザがネットワーク機器の電源を入り切りすると、ログ情報が消えてしまいますので注意してください。尚、リブートではログは消えません
  ・代替機のファームウェアを障害機に合わせる(または最新にする)
  ・適切なコンフィグを投入する
  ・機器の交換作業(結線など)
  ・WAN側のPINによる疎通確認
  ・作業前のログ取集と、作業後のログ取集

ソフトウェアの障害では、ベンダー(メーカー)は修正版を提供しますが、修正に1ヶ月程掛かることがあります。また、メーカーはバグであっても修正は保証されていないため、次のバージョンアップまで待たされることがあります。