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⑩ ダイナミックDNS(DDNS)を知る!

インターネット経由でアクセスをするために、有償の固定IPアドレスを契約しなくても、ダイナミックDNSを使うことで、リーズナブルに接続することができます。PCやスマートフォンは、ダイナミックDNSを意識することなくURLを入力するだけで、遠隔のセキュリティカメラやPCにアクセスできます。ダイナミックDNSは、ルーターや監視カメラのメーカーから低価格または無償で提供されています。

セキュリティカメラやPCなどにインターネット経由でリモートアクセスが必要な場合は、PCからグローバルIPアドレス(固定IPアドレス)を指定することでアクセスが可能になります。グローバルIPアドレスには、「固定IPアドレス」と、「動的IPアドレス」の2つがあります。

2つのグローバルIPアドレス
 ① 固定IPアドレス: 静的(スタティック)
 ② 動的IPアドレス: 動的(ダイナミック)

インターネットプロバイダーと固定IPアドレスの契約を行っていない場合は、動的IPアドレスが提供されます。この場合、電源の入り切りや、セッションが長く切れたタイミングで、その都度、空いている動的IPアドレス(グローバルIPアドレス)がルーターに割り当てられます。グローバルIPアドレスが変わると、インターネットを抜けることはできますが、インターネットから入ることができなくなります。

固定IPアドレスを契約すれば何も問題はないのですが、費用が掛かることやモバイルルーターなどでは固定IPアドレスのサービスがないものがあります。この場合、固定IPアドレスの契約を行わなくても、ダイナミックDNSを使うことでインターネットの外からセキュリティカメラやPCにアクセスすることが可能になります。ダイナミックDNS(Dynamic Domain Name System)は、DDNSとも呼ばれています。

ダイナミックDNSの構成

ダイナミックDNSの仕組み
ルーターのグローバルIPアドレスが変更される都度、ダイナミックDNSサーバーは、DNSサーバーに変更されたグローバルIPアドレス(動的IPアドレス)を通知します。ユーザは、いつも同じURL(指定されたドメイン名)を入力するだけで、ネットワークカメラにアクセスができます。

ネットワークカメラをリモート(インターネット)接続する手順
カメラを外部(インターネット経由)からアクセスするための主な設定手順を
ご紹介いたします。勿論、機器やネットワーク環境によって設定の内容は異なってきます。

予備知識として、「ポート開放」の説明と、「グローバルIPアドレス」「プライベートIPアドレス」のおさらいをします。ポート開放は、ルーターの仮想ポートを機器(ネットワークカメラ)に割り当てることを言います。外部からアクセスがあった時に、ポート番号を定義することで、カメラを認識することができます。

そして「グローバルIPアドレス」は、インターネット経由でアクセスできる唯一無二のアドレスです。最後に「プライベートIPアドレス」は、カメラ等の機器に割り当てられたIPアドレスです。プライベートIPアドレスは、インターネットにアクセスできません。グローバルアドレスに変換することで、インターネット経由の通信ができるようになります。

ネットワークカメラと、ルーターを次の手順に従って、設定することでインターネット経由の通信(リモート接続)を実現することができるようになります。

1. ネットワークカメラにダイナミックDNSを設定する
 ① ダイナミックDNSの設定(ID、パスワード、URL)
 ② ポートを設定する。番号は任意ですが、80番がカメラで一般的です
 ※ 最近のカメラは、ポートを自動で設定するものがあるようです

2. ルーターのポートを開放する
 ① カメラで設定したポート番号(80番)を開放(定義)する

3. パソコンからカメラにアクセスする
 ① ブラウザーから、ダイナミックDNSのURLにアクセス
 ② カメラのID、パスワードを入力する
 ③ カメラの映像がPC(ブラウザー)に表示される

パーソナル用のルーターでは、設定がGUIになっているので、エンジニアならマニュアルを見て設定することが可能です。しかし業務用のルーターでは、コンフィグと言う設定ファイルを作成することが必要になりますので、ネットワークエンジニアでないと設定(ポート開放)することができません。